ばんえい競馬

ゴールデンウィーク最終日。旭川競馬場に、世界でも北海道でしか見ることのできない
ばんえい競馬」を見に行きました。

ばんえい競馬は、馬体重1tにもなる大型の馬が、最大1tの鉄ソリを曳いて、
パワーと持久力を競うレースです。
コースは200mの直線で、障害と呼ばれる大小2つの丘を越えなければなりません。

「ばんえい」というのは漢字で「挽曳」と書き、荷物を引っ張るという意味で、ばんえい競馬の
競走馬は「ばん馬」と呼ばれています。

北海道の開拓期に活躍した農耕馬たちを、力比べさせたのがそのルーツといわれています。
そういう意味で、北海道の歴史と密接に関係した競馬で、北海道遺産にも指定されています。

年中開催されていて、春は旭川、夏は岩見沢、秋は北見、冬は帯広と、4ヶ所の競馬場を
季節ごとに転戦します。
開催日は土曜、日曜、月曜の週3日(2月中旬からの帯広開催は金~月の4日)です。




旭川競馬場にくるのは、去年の夏ナイトレースを見に来たとき以来2度目です。

場内には、いかにも勝負しに来ているって感じのおっちゃんばかりではなく、
カップルや家族連れの姿も多く見かけられます。ギャンブルとしてではなく、
レジャーとしても、ばんえい競馬は楽しめるんですよね。



次のレースに出走する馬たちが、パドックと呼ばれるトラックをぐるぐる回っています。
馬券を買う人はここで馬の調子を見るそうです。

元気がいいか、落ち着いているか、毛の艶はいいかなど、いろいろと見るポイントは
あるそうなんだけど、素人の僕にはどの馬がいいのか全然わかりません。

ばんえい競馬では、騎手は馬そのものに騎乗するのではなく、ソリに乗るので、
鞍もあぶみもついていません。



近づいてみると本当にデカイ!競馬場や牧場で、これまでたくさんの馬を見てきましたが、
こんなに大きな馬を見るのは初めてです。
サラブレッドの2倍近く、約1000kgという馬体は、まるで重戦車のような迫力に溢れています。



やっぱり見るだけでは面白くないので、馬券を買ってみることにしました。
単勝を100円だけですけど(笑)、小額でも賭けていれば応援にも力が入り、
より楽しむことができます。

馬券の賭け方には、1位を当てる単勝、3位までに入ればOKの複勝、1位と2位の馬を
当てる連勝(馬番連単、馬番連複、枠番連複)の5種類があります。
連勝だと、2頭の馬を応援しなきゃならないので、遊びで来ている人は、単純に1頭の馬を
集中して応援できる単勝を買うのがいいでしょう。

馬券を購入したら、スタンドに座りスタートを待ちます。



ばん馬たちがゲートに入りました。ファンファーレが鳴り響き、いよいよスタートです。

ゲートが開き、砂埃をもうもうと上げて、力強くばん馬たちが進んでいきます。
普通の競馬と違って、人が小走りするくらいのスピード。
馬が進むに合わせて、スタンドを移動しながら応援することができるのも面白いですね。

1つ目の小さな障害を越えて、2つ目の障害の前で、馬は一度停止します。

競争中に止まってしまうなんて、普通の競馬では絶対に見れないシーンです。
馬の呼吸を整えたり、お互いを牽制したり、騎手の技量が普通の競馬以上に
問われるそうです。

そして、ばんえい競馬最大の見せ場、2つ目の障害に挑みます。



さすがに重いソリを引っ張ってこれだけの傾斜を超えるとなると、スムーズにはいかず、
馬も騎手も必死です。
懸命に傾斜を登ろうとするばん馬の姿は感動的ですらあります。
応援する側も手に汗を握るところです。



ゴール前のデッドヒート!普通の競馬は馬の鼻先がゴールラインを越えたところで
ゴールになるんだけど、ばんえい競馬では、鉄ソリの後端がゴールラインを越えて
やっとゴールになります。
馬体がゴールを越えたところで止まってしまうこともあるので、最後の最後まで
勝負はわかりません。これもまたばんえい競馬の魅力なんですね。

結局この日は5レース買ったんだけど、全部ハズしました。2位には2回入ったんだけどなあ。
まぁ、馬券は外れたけど、これだけ楽しませてもらったんでよしとしましょう。


さて、ばんえい競馬の観戦には、競馬そのもの以外の楽しみもあるんです。



コース前の芝生広場では、ジンギスカンを味わうことができます。
普段は500gもやし付きで600円ですが、この日はGW最終日ということで、
半額の300円でした。
青空の下食べるジンギスカンは格別!普段よりたくさんお腹に入ってしまいます。
レースを見るのも忘れて、妻と2人で2つ分平らげてしまいました。



これもGW最終日だけのサービス。豚汁ときのこ汁が無料で配られていました。

その他にも騎手のサイン会やこども縁日、ハムスターのレースなどのイベントが
行われていました。こういうファンサービスは嬉しいですね。


ばんえい競馬の舞台裏を覗ける、バックヤードツアーに参加しました。
一般人は立ち入り禁止の場所に行くことができます。

まずは、出走前の馬たちが待機する、??(場所の名前忘れた)に連れて行ってもらいました。



小屋の中で、出番を待つばん馬たち。
ばんえい競馬の競争馬は、「どさんこ」ではなく、フランスやベルギーを原産地とする農耕馬。
威圧されそうな巨体の持ち主なんだけど、近くで顔をよく見てみると、優しそうな目をしていて、
とてもカワイイ。


そして、レースが行われるコースの裏側へ連れて行ってもらいます。

スタートゲートの後ろには次のレースに使うソリが並べられています。
近くで見る鉄のソリはいかにも重そう。約450kgのソリに、さらに重りを追加して、
トータルで500~1000kgの重量になるそうです。

鉄ソリをスタート位置に正確に並べるために、7人がかりで引っ張っています。
人間7人でやっと動かせるものを、たった1頭で引っ張るなんて、ばん馬のパワーに
改めて驚嘆です。

出走を控えた騎手の方たちもここで待機しています。鉄ソリを馬に繋ぐのも、
騎手の仕事なんだとか。でも、騎手の方たちは勝負の前だというのに、談笑したり
ずいぶんとリラックスしたムードでした。
ちなみに女性の騎手も現在2名活躍しているそうです。


そしてレースがスタート。目前を砂埃を上げて力強く進むばん馬たち。
スタンドで見るのとは全く迫力が違います。このシーンを見ただけでも、競馬場に
足を運んだ甲斐がありました。

ばん馬が走るのにあわせて厩務員さんたちも走ります。障害を越えるところでは、
「まだ行けるぞー!」と大きな声援を送っています。戦っているのは馬と騎手だけでは
ないんですよね。


スタンドで見ているだけではわからない、ばんえい競馬の裏側を見ることができて、
とても楽しめたバックヤードツアーでした。
いつもやっているわけではないみたいだけど、ばんえい競馬をより楽しむためには
お勧めです。




話題のパソコンTV「GyaO」で、今年からばんえい競馬の生中継をやることになったそうです。
番組名は「BANBA王」。

プロデュースするのが、「巨乳社長」で知られる野田義治さん。
この日は山田まりやが司会として特設スタジオに来ていました。
アイドルとばんえい競馬、ずいぶんとミスマッチですが、こういう形で盛り上げてくれるのは
嬉しいですよね。

GyaOでの中継が始まったうえに、現在、ばんえい競馬を舞台にした映画「雪に願うこと」が
上映中です。
佐藤浩市、小泉今日子、山崎努など、キャストも豪華なので、これがきっかけで、
ばんえい競馬に足を運ぶ人が増えてくれるといいですね。


このばんえい競馬の最高峰のレースが、年度の最後に帯広で行われるばんえい記念
中央競馬でいう有馬記念みたいなもんですね。
このばんえい記念では、ソリの重量は1tにもなり、わずか200mの距離をゴールするまでに
4分以上の時間がかかるのだとか。
バックヤードツアーを案内してくれた人も、毎年見ているけどものすごく感動する、
と言っていたので、これはいつか見てみたいですね。


軽やかにターフを疾走するサラブレッドの姿も美しいのですが、
重いソリを曳きながら、一歩一歩必死に突き進むばん馬の姿には、見ている僕たちの胸を打つ
感動がありました。これは素晴らしいエンターテインメントだと思いましたね。

競馬場の入場料が100円。全レース100円づつ賭けたとしても1000円くらい。
1000円ちょっとで丸一日楽しめて、レジャーとしてもハイコストパフォーマンスなばんえい競馬
まだ見たことないんだよね、って人はぜひぜひ競馬場に足を運んでみてください。
ファミリーにもカップルにも、もちろん道外からの観光客の方にも大いにお勧めです!

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【関連サイト】
ばんえい競馬ホームページ
ばんえい競馬情報局
パソコンテレビGyaO-スポーツ
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   2006年05月09日 | 北海道行楽記

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 コメント

はじめまして。トラックバックありがとうございました。
GWの旭川ばんえい競馬の様子がすごくよくわかり、とても楽しく拝見しました。
私は関東在住ですが、馬はもちろん、北海道の食べ物、景色、雰囲気が大好きでよく旅行します。
これからじっくり拝見させていただきますね。

投稿者 : 2006年05月09日 13:17

はじめまして、湊さん。コメントありがとうございます。

ばんえい競馬は今回が初観戦だったのですが、普通の競馬にはない面白さや感動があって、ものすごく楽しめました。
僕もいつかばんえい記念を見に行って、涙がでるほどの感動を味わってみたいものです。

では、また北海道にもこのブログにも遊びに来てくださいね。

投稿者 雄介 : 2006年05月10日 08:17

ばんえい競馬、行ったことなかったのですがとても興味深いですね。
観光客に旭山帰りにでも来てもらえたら、競馬の赤字も縮小すると思います。旭川の観光名所のひとつになるといいですね。

投稿者 まるたろう : 2006年05月26日 03:57

こんにちは、まるたろうさん。

僕も今回初めて行ったのですが、普通の競馬にはない
面白さと感動のある、素晴らしいエンターテインメントだと
思いましたね。
充分観光資源にもなりうると思います。

ばんえい競馬を題材とした映画も好評のようですし、
これを機に積極的にPRしてもらいたいところですね。

投稿者 雄介 : 2006年05月26日 10:26

ご丁寧なレス有難うございます。わくわく考えてみればこれも一種の公営カジノですよね。
これからもよろしくお願いいたします。

投稿者 まるたろう : 2006年05月31日 22:22

わくわくではなくてよくよくでした。大変失礼しました

投稿者 まるたろう : 2006年05月31日 22:23

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