マガン、雄飛乱舞

マガン
【学名】Anser albifrons
【分類】カモ目カモ科
【全長】72cm

日本には冬鳥として局地的に渡来。昔は全国に広く分布していたが、近年その渡来数は激減。国指定天然記念物、日本版レッドリスト準絶滅危惧種


★★★


深夜午前2時半、いつもならば深い眠りについているこの時間、旭川を出発し、愛車を12号線へと走らせました。

目的地は美唄市の宮島沼国内最大のマガン(真雁)の寄留地であるこの沼から、日の出とともに飛び立つ数万羽のマガンの姿を見るためです。

きっかけは、「北海道に行ってみよう!」リンゴさんが発行するメルマガ、「北の絵はがき」で、空を埋め尽くして乱舞するマガン達の姿を見たことでした。「おおっ、スゴイ!これは見ておかねばならぬ!!」


滝川からは257号線に入り、空が徐々に白みゆく中、南下を続けます。

月形町で美唄方面に左折し、午前4時20分、目的の宮島沼に到着です。


午前4時半の宮島沼の様子。

沼面を無数のマガンが埋め尽くしています。

時がたつにつれ、次第にガンたちの鳴き声が大きくなっていきます。


マガン達の間には何か合図でもあるんでしょうか?「ドドドドドド」という地鳴りのような羽音をたて、マガン達が一斉に空へと舞い上がりました。



次から次へと沼面から大空へ舞い上がっていくマガン達。

おーっ!!すごいすごい!!こんな光景を目にするのは初めてだよ。

まさにこれは「一見の価値アリ」です。

早起きした甲斐があったなぁ。





「へ」の字型の隊列を組んで周辺の餌場へと飛び去っていくマガン達。

よくぶつからないで飛べるなぁ。


さすがに数万羽のマガン全てが一度に空を舞うわけではなく、いくつかの集団に分かれて、徐々に飛び立っていきます。


朝日が顔を出し始めました。

太陽を背に、次々と飛び立つマガン達。



最初の一団が飛び立ってから1時間後、午前5時半。

沼を埋め尽くしていたマガンの姿はきれいに消えてしまいました。

遥か遠くには白鳥の群れが見えます(この写真じゃわかんないか)。


餌を求めて周りの水田に飛び去ったマガン達は、夕方また、この宮島沼に戻り、夜を過ごします。



えっとですね、実はちょっと失敗したんですよ。僕たちは沼沿いを走る道の路肩に車を停め、そこからマガンの姿を観察したんですが、もうちょっと先に行ったところに、ちゃんと駐車場があり、沼のすぐそばまで行って見ることができる場所があったんですよ。

そのためか、メルマガで見たような、空一面を埋め尽くすようなマガンの姿をカメラに収めることができなかったんです。


ロクな写真が無かった代わり、と言ってはなんですが、そんなのが付いてることすら忘れかけていた、デジカメの動画撮影機能で、マガン達が飛び立っていく様子を撮影してみました。ちょっと重く、しかも時間も短いのですが、その雰囲気は味わっていただけると思います。

では、コチラでご覧ください。(MPEGファイル:8秒 725KB)




マガン達が飛び去った後も、カモや白鳥達は沼に残り、見物客のくれるエサを期待してか陸のあたりをうろうろしています。

オオハクチョウ

パンをねだって、手の届くような距離まで近づいています。

こんな間近で白鳥を見たのは初めてです。

オナガガモ

派手な羽色で尾が長いのがオス。
茶色くて地味なほうがメスです。

こちらもかなり人馴れしています。

野生動物に人がエサをやることについての是非はともかく、エサを取り合い、時にはケンカする様子は見ていてとても面白い。僕もパンでも持ってくればよかったかな。


最後に看板の前で記念撮影

春とはいえ、この早朝に1時間も外にいると、かなり体も冷えます。


現在の飛来数、マガンが65300匹、白鳥が500匹だそうです。


マガンはシベリアで夏を過ごし、宮城県の伊豆沼で冬を越します。この間の距離、約4000km。長い旅の間には休息が必要なのは鳥も人も同じこと。マガン達が休息地として選んだのが、この宮島沼なのです。

秋は9月の下旬から10月の下旬にかけて、春は4月中旬から下旬にかけて、数万羽のマガン達が旅の途中にこの宮島沼に集まり、その羽を休めます。


この日までに、もう1万羽ほどのマガンがシベリアに向かって旅立って行ったそうです。あと数日もすれば、この宮島沼からマガンの姿は完全に消えてしまうことでしょう。次の秋までしばしのお別れです。



「北海道ってすごーい」、同行した彼女が飛び立つマガン達の姿を見てそう口にしました。僕も「北海道の自然は本当に懐が深いな」と思いつつ、旭川への帰路に着きました。


(2003/4/29)

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   2001年01月11日 | 北海道行楽記2003前

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