アイスキャンドルフェスティバル

下川町。道外の方でこの町のことを知っている人はあまりいないでしょう。

いっぱしの「北海道通」を気取っていた僕も、一昨年の北海道旅行で初めてその存在を知ったくらいですから。

で、なんでこの町のことを知ったかと言うと、「じゃらん」だったかなぁ、なんかのガイドに出ていたのですよ、この町最大の見所「万里の長城」が。万里の長城・・・あー、鼻で笑ってはいけません。

まぁ、その万里の長城のことはどうでもいいのですが、この小さな町では多くの人を魅了するイベントが開催されます。それが「アイスキャンドルフェスティバル」なのです。



「層雲峡氷瀑まつり」「旭川冬まつり」「さっぽろゆきまつり」に続く、北海道冬のイベント第4弾として、この「アイスキャンドルフェスティバル」に行ってきました。




旭川から北に向かうこと約2時間、あたりはすでに薄暗くなった頃、下川町に到着しました。

さっそく会場の1つである、桜ケ丘公園に向かいます。


ほうほう、これがウワサの万里の長城か~。

石垣はかなりそれっぽい雰囲気を出していますが、悲しいかなスケールの小ささは否めません。いや、まぁ本物(見たことないけど)と比べるのも間違いなんでしょうけど。


この桜ケ丘公園の周りをぐるりと一周しているそうです。

その長さは2000m、って「万里」どころか1里(3927m)もないじゃないですか。

しかしこの石垣、町民の手でひとつひとつ積み上げられたそうです。石にはその積み上げた人のものでしょうか?名前が刻まれていました。

このような手作りの観光名所もまた良いものですね。

石垣の上には点灯前のアイスキャンドルが置かれ、灯をつけられるのを待っています。


これだけの数のキャンドルに灯をつけるのは大変だろうなぁ、と、思っていたら、「アイスキャンドル点灯体験」と称し、ツアー客を労働力として利用していました。やるなぁ、下川町。



「下川町ふるさと交流館」

そのほのぼのとした名前と、悪の組織の秘密基地のような外観にかなりのギャップを感じます。


普段は大人200円、小人100円の入場料が必要なのですが、この日はイベント期間中とあって、無料解放していました。

館内には、動物の剥製・化石、農業・林業・銅山の資料、アイヌ民族に関する資料などが、わりと節操なく展示されています。

上部は展望台になっていて、公園内を一望することができます。


「ふるさと交流館」の展示物を見ている間に、キャンドルが点灯されたようです。

展望台に登って、上から見てみることにしました。

おおーっ!!

素晴らしい!素晴らしいの一言です。素晴らしすぎて写真もブレてしまいました。

あー、三脚買おうかな。




あ、そうそう、アイスキャンドルってのが何かを説明していませんでした。どんなものかというと・・・


こんな感じのモノなのです。

バケツに水を張り、外に放置します。
そしてある程度凍りついたところで
バケツから取り出します。

すると周りだけが凍っていて、中がポッカリ
空いた、氷の器ができあがります。

そしてその器の中に、ロウソクを入れ、
灯りをともします。

それがコレ。アイスキャンドルなのです。

詳しい作り方はこちら。ただ気温が-16℃になるようなところじゃないとできません。



なんと言っても他のイベントと違って、人が少ないのがいい。どんな素晴らしい光景でも、人が多すぎると興ざめしてしまうものですから。


カップルにはかなりお勧めですね。このロマンティックな雰囲気の中ならイチコロですよ、きっと。まぁ、保証はしませんが。


万里の長城に点々と続くアイスキャンドルの灯り。

もちろんこの長城の上を歩くこともできます。

背後の白樺林もライトアップされ、幻想的な光景です。



桜ケ丘公園を離れ、街中へ向かいます。交差点や商店街、一般家庭の庭先にまで、アイスキャンドルが置かれていて、町民一体となって、このイベントに参加しているのがわかります。

そしてもう1つの会場である下川町総合グラウンドへ。

こちらのほうでは、北海道の冬祭りの定番、雪像がいくつも並んでいます。

ここが、フェスティバルのメイン会場のようですが、昨日(土曜日)のほうが、花火や焼肉コーナーなど、多くの催しが開かれていたようで、この日は人も少なめです。



雪像とアイスキャンドルの合わせ技。写真じゃわかりにくいけど、かなりの大きさです。



こんなハート型に置かれた
アイスキャンドルもありました。




旧下川営林署庁舎、「恵林館」「アイスキャンドルスクエア」と名づけて、解放していました。

館内では、キャンドルの淡い光の中で、コーヒー(150円)を飲んだり、静かに流れる音楽を楽しむことができます。

一回200円でキャンドル作り体験をやっていました。このテの体験って普通1000円くらい取ったりするのですが、200円ならやらなきゃ損ってもんでしょう。と、いうわけで彼女と二人揃って参加です。


キャンドル作りのひとコマ


ゼリーか何かの容器に、芯を通し、あらかじめ用意されいた色とりどりのキューブ型のロウを詰め込みます。

そして、芯が真ん中に来るように、割り箸で固定します。

そして、好みの色の溶かしたロウを
容器に流し込みます。

ロウを流し込んだ容器は屋外に出し、雪をかぶせて15分ほど冷やします。

完成したキャンドル

これは彼女が作ったモノ。

え?僕の作ったやつですか?
まぁいいじゃないですか、別に。




先日の層雲峡ほどではないものの、やはり寒いものは寒い

そんなときには暖かいお湯に「ぷは~っ」とつかりたいもの。ありがたいことにこの下川町には温泉もあります。


下川の街中から、街灯1つない山道を行くこと約10分、「五味温泉」に到着です。

おっ、こんなところにもアイスキャンドルが。


入浴料は400円という嬉しい設定。

泉質は「含二酸化炭素-ナトリウム・マグネシウムカルシウム-炭酸水素塩泉」と長ったらしいけどなんだか効きそうなものです。しかし残念ながら源泉温度は結構低く、沸かし湯のようでした。

こんな山の中にあるから、さぞかし風情のある温泉なのだろう、と思っていましたが、建物も浴室もかなりキレイで普通のよくある町営温泉のようです。

露天風呂は残念ながら、三方を壁に囲まれ、天井もついているという開放感に乏しいものでした。

露天風呂から見える裏庭では、木に電飾がつけられ、背後の雪が青くライトに照らされていました。自然の中のこういう演出は賛否両論あるでしょうけど、温泉につかりながら見るこんな眺めもまたオツなもんでした。



温泉でゆっくり温まった我々は、大満足で旭川への帰路につきました。





これまでに行った札幌や旭川のお祭りは、かなり大規模なもので、多くの観光客を集めていましたが、その人の多さがせっかくの素晴らしい光景を楽しめなくしている部分がありました。

しかし、このアイスキャンドルフェスティバルはそれほど多くの人が訪れることもなく、静かに幻想的な光景を堪能することができるのが大きな魅力です。

また、フェスティバル会場以外でも、商店街や一般家庭の玄関前にも多くのアイスキャンドルが置かれていて、町全体でこのイベントに取り組んでいるのを感じさせてくれます。そういうところにも好感を持ちましたね。



それほどメジャーではないお祭りですが、これまでに行った冬のイベントの中では、最も高い満足度を得ることができました。来年も行ってみたいなぁ。



旭川からは90km、札幌からだと200km以上と、かなりアプローチはしにくい場所なのですが、機会があったら是非行ってみることをお勧めします。

他の冬祭りのような派手なライトアップもいいのですが、キャンドルの小さな灯火の作り出すロマンティックな世界に浸るのもまたいいものですよ。


(2003/2/16)

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   2001年01月11日 | 北海道行楽記2003前

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