たんぽぽフェスティバル

僕がこの旭川に移住してきたのが去年(2002年)の5月でした。

その当時、職場へ車で向かう通勤路、路肩や中央分離帯に所狭しと群生するタンポポに驚いたことを今でも懐かしく思い出します。北海道のタンポポはでっかい。ひとつひとつの花が大きい上に、生えている密度も高く、面積も広い。

そんなタンポポの名所があることをガイドブック(じゃらんDEデート&ドライブっての)で見つけました。それがシシャモで有名な鵡川町にある「たんぽぽ公園」です。

ガイドブックに載っていた写真には、これまでに見たことのないような、一面を黄色く埋め尽くしたタンポポ畑が写っていました。

そのたんぽぽ公園で、シーズンには「たんぽぽフェスティバル」というイベントが開かれ、そこでは直径5mのジャンボ鍋で作った豚汁が無料で振舞われるというじゃないですか!!

素晴らしい景色+タダで美味しい豚汁。これまた当然行かねばならんでしょう!!



今ひとつすっきりしない空模様の下、旭川を出発しました。国道237号線を一気に南下します。美瑛の丘も富良野のお花畑も今日は素通りです。

富良野を過ぎると道はガラガラ。快調に走行することができ、2時間ほどで日高町の道の駅「樹海ロード日高」に到着しました。ここでもちろんスタンプをゲット!これで今年通算6個目です。



日高の道の駅を出て、次に立ち寄ったのが、平取町の旧富内線・振内駅跡にある、振内鉄道記念館です。

何故ここに立ち寄ることにしたかというと、前日にTVで「廃線跡を訪ねる旅」みたいな番組があり、それを見ているとタイムリーなことに旧富内線(鵡川~日高町)の廃線跡が紹介されていました。TV画面からも伝わってくるノスタルジックな雰囲気に惹かれ、ちょうど目的地の鵡川に向かう途中ということもあり、寄ってみることにしたのです。


鉄道記念館の外観

意外と立派な建物です。館内には、旧富内線に関する資料、実際に使われていた道具や時刻表が展示されています。
ホームには2両の客車があり、夏の間はライダーハウス(バイク旅行者のための簡易宿泊施設)として使われているようです。

振内駅のものだけでなく、近隣駅の看板も立てられています。
「D51」が保存されていました。

やっぱりSLってかっこいい。



あんまりゆっくりしているわけにもいかないので(豚汁が無くなるかも!)、早々に振内を離れました。


平取の街中を抜けてからは、国道237号線を外れて道道を通り、鵡川町に入りました。


目的のタンポポ公園は鵡川(これは川の名前)を渡ってすぐの河川敷にあります。タンポポフェスティバル会場近くの駐車場はすでに満車のよう。少し離れた駐車場に車を泊め、歩いて会場に向かいました。


タンポポフェスティバル会場の様子。これじゃよくわかんないか。

ステージでは早食い競争が行われていました。

空には連凧が舞っています。


会場は河川敷ということもあってか、風が強く吹いていて、この時期にしては結構寒い。


まずはタンポポより何より、このイベントのメインとも言える、大鍋で作る豚汁を目指します。この豚汁無料配布がなければここまできてなかったかも?


3000人分もの豚汁をこの直径5mの鍋で作っています。

おじさんたちが巨大なひしゃくで鍋の中から汁をすくい、バケツに移していきます。

なんと言っても無料でふるまってくれるのが嬉しいっ!!
具は豚肉、大根、ゴボウ、タマネギ、ニンジン、豆腐、コンニャク。

寒い日だったので、温かい豚汁をより美味しくいただくことができました。


僕らが来た30分後くらいには3000人分の豚汁は全て無くなったようです。間に合ってよかった。


あ、そうそう、肝心のタンポポも見ておかなければなりません。


広大な河川敷一面がタンポポ畑になっていました。

たかがタンポポですが、これだけ集まると壮観です。


ん?でも写真で見たタンポポ畑より、だいぶ黄色の密度が低いような気が?

うーん、時期が早かったのか遅かったのか・・・




北海道のタンポポは大きくてびっくり!!
同じセイヨウタンポポなのに。


イベント会場の人と車と出店がちょっと風景を邪魔している感がありました。純粋にタンポポ畑を楽しみたいのなら、フェスティバルの日は避けたほうがいいかも。

これをやってみたかった!
たんぽぽ畑の真ん中でちょっとお昼寝。

う~ん、気持ちいい!!



イベント会場にはさまざまな出店が並んでいました。



たんぽぽコーヒーとたんぽぽロールケーキのセット、150円。

タンポポの根を刻み、それを煎って入れたコーヒーと、これまたタンポポの根を使ったロールケーキ。

お味はどうかというと、コーヒーのほうは、結構苦くてちょっと泥臭い感じ。とてもおいしいとは思えなかったけど、まぁ僕は普通のコーヒーもおいしいとは思わないので、飲む人が飲めばおいしいのかも。

ロールケーキのほうは、ごくごく普通においしかったです。

餅つきもやってました。結構楽しそう。

鵡川に来たならこれを食べなきゃハナシにならない。
そう、ホンモノのシシャモです。

普通にスーパーで「シシャモ」と称して売られているものは「キャペリン」という全く別の魚なのです。

ホンモノはごくごく限られた地域でしか獲れない貴重品です。
焼きシシャモ。
1皿5本で350円

普段食べている「キャペリン」よりはるかに太い。
身もホクホクしていて、食べごたえがあります。

うむ、さすがはホンモノ、美味い!


シシャモのシーズンは秋だそうで、その季節にはシシャモ寿司などもいただけるようなので、是非そのうち食べに来たいものです。



豚汁とシシャモですっかり満足した僕たちは、フェスティバルの会場を後にしました。




せっかくここまで来たのだから、と久しぶりの太平洋を見に来ました。

う~ん、やっぱり海っていいなぁ。天気が良ければもっとよかったのに。

旭川市民は海を見ただけでもちょっと嬉しい。



鵡川町を離れ、道道を穂別町に向かいます。


次の目的地はまたも廃線跡。穂別の街中から、6kmほど東に向かったところに、旧富内線の富内駅跡はありました。




ほぼ完全な形で駅舎は残されていました。



草むらの中に消えゆく線路


ホームからの眺め。
客車が2両残されています。

駅舎の中には、当時使われていた道具などが展示されています。

映画「鉄道員」の撮影に貸し出したものもあるとか。

宮沢賢治の残した設計図をもとに作られた「涙ぐむ目」と呼ばれる花壇。

駅の裏手にありました。
  


ここでも哀愁溢れる廃線跡の雰囲気をたっぷりと堪能した僕達は、夕張に向かいました。



寂れゆく一方だった夕張の商店街が生まれ変わった「ゆうばりシネマ街道」

それでも人通りは少なく、やはり寂しげな雰囲気。





  

様々な建物に様々な看板。

古い映画ファンには感涙モノじゃないでしょうか。



それではこの日の最後のお楽しみ、温泉に向かおうか、と車をユーパロの湯に向けて走らせる途中、「ぱんじゅう」という聞きなれない言葉の書かれた看板を掲げたお店を発見。どうも気になるので、Uターンして店を覗いてみることにしました。

店内では、オバちゃんが鉄板でたこ焼きとも大判焼きとも違う見慣れぬモノを年季の入った手つきで焼いています。これはなんとも美味そう。

そしてあたりには香ばしい匂いが・・・

オバちゃんの話によるとこの「ぱんじゅう」なる食べ物、ここ夕張と小樽、それと札幌の3箇所でしか売ってないそうです。

ううむ、これは食べておかねば!

これが夕張名物?「ぱんじゅう」だ!

パン+まんじゅうでぱんじゅうなんでしょうか?

生地は大判焼きに似ているのですが、表面がパリッとしていてまた一味違う食感です。

中に入っているほこほこしたあんこもさることながら、まわりに四角くはみ出している「みみ」の部分がまた美味しい!



そして、このドライブの最後の目的、ユーパロの湯にやってきました。


「ゆうばりユーパロの湯」

入浴料は大人一人600円

北海道によくある公営温泉の例に漏れず、ここも立派な建物。

中の施設も非常に充実しています。


お風呂は洋風と和風が男女日替わりになっていて、寝湯、薬湯、露天風呂、打たせ湯、ジャグジー、サウナと多彩なお風呂を楽しむことができます。

お湯のほうは、若干茶色く濁っていてます。かなり塩分が強いようです。

岩造りの露天風呂は結構広く、山を望むこともできて、なかなか爽快です。

薬湯は月替わり。今月は「抹茶の湯」でした。他の月には、桜の湯、コスモスの湯、紅茶の湯などになるそうです。



お風呂上りに冷たいドリンクを飲みながら、休憩室でくつろぐのは至福のひとときです。ドライブの大きな楽しみのひとつが温泉に入ることなんだけど、難点がただ一つ。それは温泉に入った後は、もうあまり動く気にならないこと。家までの距離がまだまだあるときはなおさらです。

とはいえ、いつまでも休憩室でごろごろしているわけにもいかず、いやいやながらも温泉を後にしました。

すでに陽は傾き、夕闇がそこまで迫っています。温泉で火照った体をなでる冷えた空気がとても心地いい。



国道452号線、道道135号線を通り、富良野からは走り慣れた国道237号線を通り、旭川へと無事帰り着きました。

この日の走行距離は予想を大きく超えて470km。さすがに一日でこれだけ走ると、道が良く走りやすい北海道とはいえ疲れました。


★★★


どこにでも咲き、人の目を引くことも少ない花、タンポポ。そんなタンポポでさえも極上の風景にしてしまう。またひとつ北海道の魅力を発見することができました。


そして廃線跡めぐり。今回訪れた富内駅は、幹線道路から大きく外れたところにあり、さして有名でもないため、僕達が行った時には他に観光客の姿を全く見ることがありませんでした。

そのおかげで、幸福駅や愛国駅のような、有名な廃線駅では決して味わうことのできない郷愁溢れる雰囲気を、ぞんぶんに満喫することができました。

僕は今回訪れた旧富内線のようなローカル線に乗車したという想い出は全くありません。それなのに、朽ちたホームに立ち、草むらに消えゆく線路を眺めていると、何故か胸に懐かしさがこみ上げてきます。これが廃線跡の魅力なんでしょうね。

北海道は廃線跡の宝庫です(それがいいことか悪いことかは別として)。ノスタルジックな気分に思いっきり浸りたい、そんなときには訪れる人も少ない廃線跡を訪ねてみるのがいいかもしれませんよ。


(2003/5/25)

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   2001年01月11日 | 北海道行楽記2003前

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